提訴に至る経過について

我孫子市布佐・相島新田にある手賀沼流域下水道・手賀沼終末処理場内(以下「終末処理場」という。)における「高濃度放射性物質を含む焼却灰の一時保管問題」をめぐる千葉県との調停は、公害等調整委員会の判断により平成25年1219日に調停不成立の決定が下されました。この問題解決の最終手段として、平成26年17日午前11時過ぎ、千葉県を被告とし第一次原告団(計32名)の皆さんと共に千葉地方裁判所・松戸支部に提訴しました。

 

我孫子市の再三再四に渡る反対にも関わらず、平成24年12月21日から昨年5月末に至る迄、終末処理場内に柏市・流山市・松戸市の3市から搬入された約526㌧の高濃度の放射性物質を含む焼却灰(※1㎏当たり8,000ベクレルを超える「指定廃棄物」)が、現在テント内で「一時保管」されています。これとは別に、終末処理場内で発生した脱水汚泥の焼却灰は、平成25年9月末で約1,800㌧(指定廃棄物・約550㌧含む)、施設やテント内に保管されており、この施設の区域内には、合計約1,076㌧の指定廃棄物が、未だに行き場の定まらぬまま保管されています。

 

施設周辺における空間線量は異常数値を示していませんが、問題は千葉県の危機意識の欠如および危機管理対策の無さです。●近年、野田市など近隣地域を襲っている竜巻の猛威、そして、●手賀沼を埋め立てた軟弱地盤の上に終末処理場が建設されている事などを踏まえると、【耐風速27.2mのテント(※)】という脆弱な保管方法により、高濃度の放射性物質を含む焼却灰を保管することは明らかに問題です。しかし、千葉県は万一飛散してしまう場合のことを想定しておらず、かつ、満足な対策を図りません。

 

※千葉県はテントの耐風速は34mだとしていましたが、調停を進める中で「実際の耐風速は27.2m」であり、「テントの膜面(塩化ビニール製のシート)は、風速27.2mに達する前に破れる可能性がある」ことが判明しました。

 

平成2412月から約1年間に渡る5回の調停では、①最終処分場を確保するまでは施設内に焼却灰を搬入しないこと、②平成273月末での撤去、そして、③軟弱地盤上での保管、想定を超える台風や竜巻などの風水害への備えが全く不十分であることなど、万一の際の「危機管理の見直し」を求め続けました。

 

しかしながら、千葉県は、調停申請人(46名)の我々住民の訴えに対し、木で鼻を括った回答に終始し、何ら誠実な対応を取りませんでした。よって、心ならずも、訴訟に踏み切らざるを得ない展開となった次第です。

 

私達の訴え(願い)は決して特別なものでも、エゴでもありません。

 

想像してみて下さい。

 

あなたの街のどこかに、その地域の住民に十分な説明も、ましてや納得もなく、更に、安全性の担保されていない高濃度の放射性物質を含む(一時保管)施設が突然建設されたら…。

 

皆さんはどう感じますか?

そして、どう対処しますか?

 

一方的に設置され、一方的に搬入され、既に1年以上の月日が経過しましたが、この間もいざという時に対する危機管理もなっていないとしたら…。

 

皆さんはどう感じますか?

そして、どう対処しますか?

 

私達は、立ち上がりました。

 

自らの生活の安全と安心を脅かす施設の撤去を求めて。

 

そして、住民の切なる願いも一顧だにしない行政失格の千葉県政を正す為に。

 

皆さんのお力を是非お貸し下さい。

▼我孫子市議会が行った一時保管施設等の視察▼

広域近隣住民連合会とは

 

広域近隣住民連合会は、我孫子市相島新田85-5に位置する手賀沼流域下水道終末処理場に、千葉県が地元住民に対して十分な説明もなく、一方的に建設を決定した一時保管施設の建設に反対する我孫子市民を中心に平成24925日に活動を開始しました。

 

代表:榎本菊次(我孫子市布佐下新田在住)

※当サイトはアーカイブとして残します。

5/8に千葉県から取り下げに対する同意書が提出。

回答期限の5月8日に千葉県から原告からの「本件訴訟の取り下げ」に対する同意書が提出されました。これをもちまして、本件訴訟は原告団の実質的な勝利をもって終了致しました。この場をお借りして、ご支援下さった全ての皆様に感謝御礼申し上げます。

 

平成27年5月12日

広域近隣住民連合会

事務局